DVD-VIDEOのビットレートは、映像は最大9.8Mbps、音声と合わせて10.08Mbpsが上限と規格で決まっています。映像・音声以外のデータにビットレートが消費されることもあり、規格の範囲内であっても高すぎるビットレート値はトラブルの原因になるので、弊社でのオーサリング・ダビング時は通常、映像で最大8.6Mbps程度で作業します。
DVD-VIDEOに使用できる音声は、リニアPCM・DolbyDigital・MPEG-LayerⅡです。最後のMPEG~はヨーロッパや中国などで使用されるビデオ方式のPALで主に使用されるもので(日本の再生環境では音が出ないなどのトラブルの原因になることがあります)、日本のビデオ方式であるNTSCでは前2者が主に使われます。
音質的に最も有利なのはリニアPCMで、音声ビットレートは、
サンプリング周波数 × 量子化ビット数 × チャンネル数
で計算できます。例を挙げますと、最も一般的な仕様である48kHz・16bit・2chの場合、
48 × 16 × 2 = 1536kbps(1.536Mbps)で、
上限10.08Mbpsから音声ビットレートを引いた8.544Mbpsが映像に当てられるビットレートとなります。実際には7.5Mbps前後が安全な値となります。
DVDの仕様上96kHz・24bitのPCMを使用することも出来ますが、この場合
96 × 24 × 2 = 4608kbps(4.608Mbps)となり、
映像に使用できるのは最大でも5.472Mbpsとかなり圧迫されます。
PCMでのマルチチャンネルは理論的には8chまで可能ですが、チャンネルが増えるごとにビットレートを占領するのであまり現実的ではありません。
そこで広く使われているのがDolbyDigital(AC-3)です。圧縮音声で48kHz固定ですが、音にこだわりが無ければ長時間でも映像に多くのビットレートを割くことができます。音質はビットレートで決定し、最大488kbpsまで使用できます。60分程度のまでの映像であれば8.6Mbps程度は映像に当てられるのでPCMより遥かに余裕が出ます。マルチチャンネルは5chまたは5.1chに対応しています。
画質も音質もこだわりたい!という方はブルーレイで作成されることもご検討ください。詳しくは弊社のオーサリングページやブログをご参照ください。
Y・R
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