去る1月29日(日)、元サンハウス、現シーナ&ザ・ロケッツのギタリスト鮎川誠さんがご逝去されました。
年末のイベントを体調不良により出演キャンセルされており、その後の病状が気になってSNSの公式アカウントでの続報を待つ日々に突然の訃報でした。
一端にバンドでギターを担当している私、エフェクターを使わず、アンプとギター本体で音作りをする鮎川誠さんのスタイルと心意気には非常に影響を受けております。またブルースに強く影響を受けたそのギタープレイも言わずもがな。自らの曲でも鮎川さんの曲のリフを研究し参考にしております。
ブルース、ブリティッシュビート系やパンクロックに造詣が深い鮎川さん著作本の「200CD ロックンロール」では様々な格好良い音楽を教えて頂きました。音楽評論家の様に格式張った文章ではない、読んでいて音楽への愛がひしひしと伝わる鮎川さんの文章は非常に魅力的で、正に生きた声です。
鮎川さんと言えば忘れてはいけないのが人柄の素晴らしさです。
所謂、プロミュージシャンというと"雲の上の存在"というイメージがありますが、鮎川さんは一般人で無名バンドマンであるこんな私にも分け隔てなく気さくに接してくれました。
私が「ローリングストーンズで1番好きなアルバムはなんですか?」と聞いたとき、食い気味に「ファースト!(ファーストアルバム)」とおっしゃっていたのが非常に印象的です。
その時私はライブ盤LOVE YOU LIVEに凝っていた時期でしたので「僕は最近LOVE YOU LIVEにハマってます」と言ったら「Little Red RoosterにAround and Around、最高ったい!(九州訛でしたので語尾朧げです)」とおっしゃっており、ブルースとロックンロールが本当にお好きなんだなあと染み染みしたことを覚えています。その時に書いて頂いた鮎川さんのサインは私の宝物です。
私のバンドのCDを快く受け取ってくださったこと、それと、イベントで鮎川さんの出待ちをしていた私に、鮎川さんの方から私の名を呼んでくださったこと。自慢の思い出です。
「俺たちの父親はザ・ローリングストーンズであり、俺たちの祖父はマディ・ウォーターズ」とは鮎川さんの言葉。この大好きな言葉に肖らさせて頂きますと、私の祖父は間違いなく鮎川誠さんです。
尊敬しているミュージシャンが亡くなり、心にぽっかり穴が空いてしまいましたが、「メソメソしてるなんて、ロックやなかね!」と鮎川さんから苦言を呈されそうな気がするので、本日も出勤前にはサンハウスの"もしも"のギターを弾き(この曲のギターソロの雰囲気は唯一無二です)、通勤時には大好きな"ほら吹きイナズマ"(ライブ版)を聴きました。少しだけ元気が出ました。
自分の身の回りも含め、日本には格好良いバンドマンの方々やミュージシャンの方々が沢山います。限られた時間の中で私もまだまだ楽しもうと思います。そして将来、私がもし天国への階段を登る時が来たら、その足でシーナ&ザ・ロケッツのライブを観に行こうと思います。
鮎川誠さんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。
T.K
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