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小さき者へ
2020年01月20日
2020年になって1冊目に読んだ本は有島武雄の「小さき者へ」でした。
著者・有島武郎が母親を亡くした自身の子供達へ向けて書いた手記です。
話自体は長くなく、さらっと読めました。
著者は3人の子供達が幼い頃、病気で妻を亡くしました。
今でいうシングルファーザーになりますでしょうか。当時はそんな言葉なかったと思いますが。
シングルファーザーというと、母親のような優しさも兼ね備えたどこか温かい父親、というイメージでしたが(これはあくまでテレビや小説等の影響で出来上がった自分の中の勝手なイメージです)、作中、著者は辛辣な言葉を子どもたちに送ります。
「人生において幸福な事、それは母親がいることだ。私には母親がいるが、お前達には母親はいない。不幸な者達よ。」的な。
「この人はなんてひどいこと言うんだ!」と衝撃を受けましたが、読み続けていくにつれ、子供達に対する有島武郎の大きな愛情を感じました。ああ、こういった愛情の表現もあるんだなあと。
これから何年も続く子育て。様々な場面に遭うと思いますが、行き詰まったときになんだか役に立ちそうな言葉が多々ありました。これからも定期的に読みたいと思いました。
T.K
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