オフィシャルブログ
虚妄の正義
2021年06月16日
萩原朔太郎の「虚妄の正義」(1929)を読みました。
この「虚妄の正義」ですが詩集でも小説でも随筆でもなく、ジャンル的には「アフォリズム集」に分類されるのだそう。
アフォリズムとは何ぞ。以下某サイトからコピペ。
-----
アフォリズム:
人生・社会などの真髄を簡潔に言い表した言葉。日本で言う「格言」のことで、金言、警句、箴言も含まれる。偉人、宗教者、聖人などが残した言葉を指す場合が多く、庶民生活から生まれた「ことわざ」とは異なる。
-----
簡単に説明すると「芸術」や「文学」、その他「結婚」「文明」「生活」等々人生のあらゆる物事に於いて作者が思っていることをつらつらと書かれたものです。中には散文詩的なものもあったり。
個人的にはエッセイや随筆に近いのかなと思いましたが、序章にて「この作品は随筆ではないし一緒にするな」的な記述があったので異なるそう。
奇才・萩原朔太郎の考えを十分に理解する程の頭脳を生憎持ち得ておらず、ところどころ「?」となり、小説や詩集と比べ読むのに少し頭を使いました。が、その分読了感もひとしお、日頃の生活や人生に於ける様々な物事について今までとは少し違った目線や考え方を得られた気分で、頭がほんの少しだけ良くなった気がします。
出版時期は前後しますが、「新しき欲情」(1922)という萩原朔太郎が初めて出版したアフォリズム集も購入してみました。どんな言葉が記されているか、読むのが楽しみです。
蛇足ですが、先日友人が「文学でも音楽でも、例えその作品を作った人が亡くなったとしてもその人が懸けた想いや情熱はずっとその作品に残るものだね」と言っていました。コロナ禍で鬱屈とした昨今、少し古めの文学や音楽に元気を貰う機会が多かったので、深く首肯しました。
T.K
« 美容室 | 記事一覧 | 『永田文庫』つづき » |