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浪漫派
2020年05月21日
先日、幸田露伴の五重塔を読みました。
腕は確かだが職人気質な故、人付き合いが苦手でいつも小さい仕事しか貰えない大工・十兵衛(あだ名は"のっそり")。
そんな"のっそり"が五重塔建立という一大事な仕事を高僧に懇願し獲得、最終的に五重塔を建てるというお話です。
五重塔建立の仕事を請け負うまで高僧に仕事を懇願するのですが、その懇願の様子も何だかがむしゃらで(突然泣き出したり)不器用。
見事仕事を請け負った後も、散々世話になっている先輩がくれたアドバイスや参考品に対し「いや、そんなもの頂いても。。」と拒んで先輩を怒らせたり。
私も人付き合いが上手い方ではないので、話の頭から最後まで所々に散りばめられている十兵衛の不器用な感じにちょっと共感したり、何とも堪らなかったりして非常に面白かったです。
この作品について調べてみたところ、俗に言う浪漫派という文学の部類に入るそう。
浪漫派には他にどんな作品があるのかなと調べてみたところ、最近読んだ樋口一葉の「たけくらべ」等の作品やこれまた最近たまたま読んでいた与謝野晶子の「みだれ髪」なんかもその部類に入るそう。
ここ1年くらい自然主義文学に凝っていましたが、知らず知らずに正反対の浪漫文学にも片足を突っ込んでおりました。
T.K
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