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ヒッチコックの「めまい」
2016年12月26日
映画監督のトリュフォーが同じく映画監督のヒッチコックにインタビューしたものをまとめた「ヒッチコック映画術」は映画研究書の古典となっていますが、それに基づいたドキュメンタリー「ヒッチコック/トリュフォー」が劇場公開されているので、観に行こうかな、と思ってちょっと躊躇したのが、最近ヒッチコックってあまり観てないな、と思ったからです。
そこでナイスタイミングといいますか、東宝系列の映画館の「午前10時の映画祭」で「めまい」を上映していたので、観に行ってみました。かれこれ2,3回は観てますが、ヒッチコック映画の恋愛というと美男美女の恋愛遊戯、といった軽い感じが多い中で、この作品は結構メロウで、異色かも。初見の方はサスペンスの語り口に引っぱられると思うのですが、観返すと異常なシチュエーションなのに感情移入しやすい。娯楽映画の職人に徹したドライさが際立つ他作品と比べると、こんなに感傷的なヒッチコック作は他にないかもしれません。
今回は4Kでの上映ということもあり、オープニングの秀逸なデザインや、技巧を凝らした“めまい”の視覚化など、ヒッチコックの映像美も堪能できました。年末年始は他の作品のDVDやドキュメンタリーの上映も観てみたいと思います。
Y・R
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